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第14話 荷物持ちの砦

Author: なつめ
last update publish date: 2026-07-27 10:48:52

第14話 荷物持ちの砦

 最初に塞いだのは、西の裂け目だった。

 リュゼルは肩を入れ、崩れた柱の一つを床へ転がした。

 石と石が擦れ合う鈍い音が、地下神殿へ長く響く。砕けた柱は一人の力で持ち上げられる重さではない。それでも重心を探し、細い外殻片を梃子として差し込めば、少しずつ動かせた。

「右へ倒れます」

 祭壇からネフィリアの声が飛ぶ。

 影鳥の目を通し、柱の向こう側を見ている。

 リュゼルは梃子を引き抜き、身を退いた。

 柱が傾く。

 轟音とともに裂け目へ倒れ込み、通路の半分を塞いだ。天井から細かな砂が降り、冷えた汗へ貼りつく。

「これで、大きな魔物は通れない」

「神殿の入口を壊しているようにしか見えません」

「最初から半分壊れている」

「だから残りも壊してよいという理屈にはならないわ」

 ネフィリアは自由になった左足を革袋へ乗せ、祭壇の縁に座っていた。

 まだ自力で長く立つことはできない。だが、足を下ろした姿は、黒鎖へ全身を預けていた頃と違って見えた。

 一本分だけでも、自分のいる場所を選べるようになったからかもしれない。

「影鳥を少し下げてくれ。今から石を積む」

「命令が増えま
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